コラム
工場や倉庫での棚卸しをRFIDで効率化
期末の棚卸し作業で、時間や労力がかかりすぎていませんか?今回はRFIDタグを活用した棚卸し作業の効率化についてご紹介します。
もくじ
そもそも棚卸しとは?
棚卸しとは、販売対象の製品や商品、製造途中の仕掛品、製造投入前の原材料、さらに消耗品等を対象とし、期末時点でこれら全ての数量と評価額を確認して期末棚卸資産を確定することを指します。
棚卸しは、会計上必要なだけでなく、利益の正確な把握、在庫の適正化、不良在庫のチェック等、様々な効果をもたらす非常に重要な業務です。
棚卸しでよく発生する問題
よくある問題点
重要な業務であるにも関わらず、管理や運用が徹底できておらず、問題を抱えている現場が多いのも事実です。
以下に問題点の例を挙げます。
- 日常業務起因
- 日常業務での現品管理ができておらず、いざ棚卸し時に何がどこにあるか探し回る必要がある
- アナログ運用起因
- 数え間違いや記入ミス/モレ等のヒューマンエラーにより差異が発生する
- リスト作成や集計業務に時間と手間がかかる
- システム運用起因
- システム側のロジックミスや処理タイミングのズレ等により差異が発生する
- バーコードを1つずつスキャンするのに時間がかかる
棚卸しの実態
実際に弊社の製造業のお客様から頂いた声には下記のようなものがあります。
取扱製品の種類や点数、部品や原材料等、条件が異なるため比較はできないですが、皆様、何かしら課題を感じ、効率化を求めていることがよく分かります。
A社:置場の整理が悪く、多種類の備品が混在していて、対象物の特定に時間がかかり、完了までに1週間程要する
B社:現場作業者6名で丸1日かけて棚卸し作業を行うため、通常業務が停滞する
C社:日々の業務管理担当者と、棚卸し実行担当者が異なるため、何がどこにあるかが分からず時間がかかる
RFIDの活用
RFIDとは
棚卸し作業の効率化を図るために、RFIDを活用する方法があります。
RFIDとは、RFIDタグ(ICタグ、RFタグとも呼ばれる)とリーダライタの電波の送受信によって、非接触でデータの取得や書き込みを行う自動認識技術全般のことを指します。
(※詳細はこちらの記事をご覧下さい)
>>>RFIDとは?①~基本編~
RFID活用のメリット
RFIDタグ(※UHF帯パッシブタグ)を管理対象物に貼り付けておくことで、棚卸し時に専用リーダーで簡単に読み取ることが可能です。
従来、棚卸し作業のシステム化と言えば、バーコードでの管理が一般的でしたが、数量が多いと1つずつスキャンするのに時間を要したり、箱入りの場合は、箱を開けて中身を全て確認する必要がありました。
一方、RFIDタグ(※UHF帯パッシブタグ)を使用すると、離れた場所から一括読み取りができたり、箱の中に入ったまま読み取れるというメリットがあります。
これにより棚卸し作業の効率化が期待できるのです。
数量とロケーションを同時に管理する方法
「ながら棚卸し」の実現
RFIDを活用して、数量を簡単に把握するだけでなく、管理対象物のロケーションを管理することも可能です。
『Xeye Type-B』というサービスでは、RFIDタグ(※UHF帯パッシブタグ)を管理対象物と置場の両方に貼り付け、それらをセットで読み取ることで、数量とロケーションの管理を実現しています。
この方法を使えば、「何がどこに何個あるか」を瞬時に可視化することが可能です。
<運用イメージ>
- 管理対象物全てにRFIDタグ(※UHF帯パッシブタグ)を貼り付け→物品タグ
- 建屋内の壁、柱、棚等の置場にRFIDタグ(※UHF帯パッシブタグ)を貼り付け→位置タグ
- 作業担当者がスマートフォンと小型RFIDリーダーを携行(*1)していつも通り作業
- 小型RFIDリーダーが近づいたタイミングで、自動的に物品タグと位置タグの両方を読み取りクラウドに送信
- WEBの管理画面上で、「何がどこに何個あるか」が一覧やマップで表示される
(*1)携行…作業員のポケットに入れる、作業員の腕に巻く、台車に取付、フォークリフトに取付等で対応
RFIDの棚卸しシステムの多くは、期末の棚卸し実施時に、一斉にスキャンしていく運用を取りますが、『Xeye Type-B』は、日常業務を行いながら、無意識的に棚卸しが完了している、「ながら棚卸し」の実現を目指しています。
日常業務で現品管理が徹底できれば、棚卸し時に何がどこにあるかを探す必要もなくなるため、期末棚卸しの効率化にも繋がります。
「自動棚卸し」の実現
さらに、小型RFIDリーダーを、作業員でなくAMR(自律走行搬送ロボット)等に装着して走り回らせれば、自動棚卸しも実現可能です。
棚卸し作業の効率化をご検討中の方は、是非お気軽にご相談下さい。
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