コラム
海上輸送におけるトレーラーシャーシの位置管理
近年、物流の「2024年問題」、地球環境問題、慢性的なトラックドライバー不足等を理由に、「モーダルシフト」が再び注目を集めています。
「モーダルシフト」とは、トラックによる貨物輸送を、内航海運や鉄道等の、大量輸送が可能で環境負荷の少ない輸送方法に転換することです。
内航海運でフェリーやRORO船を使う場合、トラクターヘッドから切り離されたトレーラーシャーシ(荷台)の位置を管理することが業務効率化に役立ちます。
もくじ
フェリー・RORO船を使った海上輸送
はじめに、海上輸送でいわゆるコンテナ船と呼ばれる船には、陸上に設置されたクレーンを使用して多数のコンテナが積み込まれます。
一方、フェリーやRORO(ローロー)船と呼ばれる船には、トラックが自走で乗り込むことができ、トラック本体、または、トラクターヘッドから切り離されたシャーシ(荷台)が積み込まれます。
コンテナ船よりも積載効率は劣るものの、早く、簡単、安全に荷役ができることが特徴です。
トレーラーシャーシ管理の課題
トラックやトラクターヘッド側には車載器にGPS等が付いていることが多いですが、切り離されてしまったシャーシは、電源供給が無くなるため、管理が難しくなります。
そのため、下記のような課題が発生します。
- 港での船積時にトラクターヘッドの運転手がシャーシを探すムダが発生する。
- 積み込んだシャーシがどこにあるか、リアルタイムに把握できない。
Xeye(クロスアイ)を活用したシャーシの位置管理
運用方法
<用意するもの>Xeye自動測位ユニット、ビーコン
- 管理したい対象のシャーシと自動測位ユニットのIDを紐づける。
- 自動測位ユニットをシャーシに取り付ける。
- (船内の位置も管理する場合は)船内の壁や柱にビーコンを取り付ける。
- シャーシが一定時間静止したタイミングでGPSもしくはビーコンで位置情報を取得し、自動的にデータをクラウドへ送信する。
- どのシャーシがどこにあるかが、WEBやアプリ等でマップや一覧で可視化される。
- 5を確認すれば、トラクターヘッドが人力でシャーシを探すムダがなくなる。
>>>「オーシャントランス株式会社様」シャーシ位置管理の導入事例
自動測位ユニットの特長
- 電池駆動のため、電源供給が無いシャーシにも活用可能
- 加速度センサにより、モノが一定時間静止したタイミングでのみ位置情報の取得とデータ送信を行うため、圧倒的省電力
- GPS受信、ビーコン受信のそれぞれのモジュールを搭載しているため、屋外・屋内でシームレスに位置情報を取得可能
- LPWA通信方式(Sigfox)を採用しているため、広範囲のエリアで活用でき、省電力かつ低価格での運用が可能