オーシャントランス株式会社は、東京都中央区に本社を置く海上運送会社です。
その主たる事業のひとつフェリー事業では、東京港・徳島港・新門司港間で4隻のフェリーを運行(2023年8月時点)、一般自動車や旅客と共にトレーラーシャーシ(自走出来ず、トラクターヘッドによって移動)の輸送を行っています。
各港において船積みする際にトラクターヘッドの運転手は、広大な置場から移動の対象となるトレーラーシャーシを探し出す必要があり、その時間を短縮することが課題でした。
その課題を解決できるシステムを求められていた中、懇意にされていた商社からXeyeの紹介があり、検討を進めることになりました。
トラクターヘッドが牽引することで移動させるトレーラーシャーシは一般的に電源を搭載していないため、GNSS(GPSに代表される衛星測位システムの一般的名称)等のセンサーを利用することが難しく、トレーラーシャーシの位置管理が普及しない要因のひとつになっていました。
そこで、外部電源を必要とせず電池だけでGNSSを機能させるXeye自動測位ユニットは、そのコンパクトなサイズも相まって非常に画期的だと判断して頂きました。また、自動測位ユニットの電池寿命が1年以上であることにより、年に1度実施されるトレーラーシャーシに対する車検のタイミングで電池交換が出来、運用上の負荷が増えないことも大きな評価に繋がりました。
●自動測位ユニットの取付及びトレーラーシャーシとの紐付け
Xeyeのスマートフォンアプリで自動測位ユニット裏側のQRコードを読取り、物品コードとしてトレーラーシャーシの車番(ナンバープレートに記載された文字)を入力してシステムに登録します。
●WEBやスマートフォンアプリでの位置確認
WEBブラウザやスマートフォンアプリで、Xeyeの専用画面を開き、位置を確認したいトレーラーシャーシの車番の一部を入力して検索すると、その位置情報が前もって定義しておいたエリア名やブロック名として表示されます。
また、Googleマップ上で位置を確認することも可能です。
※自動測位ユニットはSigfox通信(京セラコミュニケーションシステム株式会社が日本の電子通信事業者として提供するLPWAネットワーク)を利用しているため、国内において広範囲の通信エリアをカバーできます。
港での置場において、作業員やトラクターヘッドのドライバーがトレーラーシャーシを探索する時間を、一人当たり月間約10時間削減することが出来ました。
※例えば東京港では約10名のドライバーが利用することで、月間約100時間の削減につながっています。
探索時間の短縮以外にも、拠点に存在するトレーラーシャーシの総台数がリアルタイムに把握出来るため、拠点間での台数の偏りが可視化され、効率的な運用が可能になりました。
近い将来、現行品から進化した下記仕様を備えた自動測位ユニットを提供することで、さらに大きなメリットを生み出せると考えています。
・みちびきSLAS(サブメーター級測位補強サービス)対応→位置精度を向上
・ソーラーパネル+蓄電池搭載→電池交換が不要
・筐体の薄型化→トレーラーシャーシの屋根部分へ搭載(車検合格範囲内)し位置精度を向上
・筐体の防塵/防水/耐震対応→取付の容易性及び装置の信頼性向上
物流の「2024年問題」を契機としてモーダルシフトが進むと、トレーラーシャーシの管理効率化や稼働率向上は必須課題となります。
Xeyeは本事例で得たフィードバックを元に、自動測位ユニットやシステムを更に進化させ、課題解決に貢献できるよう努めて参ります。
>>>Xeye自動測位ユニット詳細
お忙しい中、取材へのご協力ありがとうございました。